労働局への対応に困っている

 

社員と賃金でもめると,社員側が「労働基準監督署に行く」等と半ば脅してくることがあります。

「労働基準監督署」と言われると,怖くなってしまう会社様があるかもしれません。

では労働基準監督署に立ち入り調査に入られそうな場合,どのように対応すればよいでしょうか。

 



もともと労働基準監督署の役割は,労働基準法や労働安全衛生法等を遵守させることです。

 

労働基準法には残業代についての規定があります。ですから残業代不払いについては労働基準監督署が関わる問題となってきます。
労働基準監督署が会社に対し何ができるかと言うと,会社に対し調査を行い書面の提出などを求めることです。調査の上で,残業代の不払いがあったら会社に対し是正勧告をしてきます。


会社が是正勧告に従えばそれで問題は解決です。

 


会社が是正勧告に従わない場合には,労働基準監督署は検察庁に処罰を求めて書類や資料を送ります(これを書類送検と言います。)。場合によっては検察庁が裁判所に罰金などを求めて処罰の請求をすることがあります。平成27年に,株式会社電通に勤めていた高橋まつりさんが自死をされた際に検察庁が裁判所に処罰を求めて請求をしました。

 

 

ところで,検察庁に書類送検されるのは,労働基準監督署の是正勧告に従わなかったり極めて悪質だったり社会的インパクトが大きかったりする事案です。はっきり言うと,検察庁は刑法犯(殺人,強盗,窃盗,詐欺等)の処罰に忙しく,残業代不払いなどの事案にはあまり関心はないです。

検察庁は残業代不払いの事案で処罰等をあえてしたいとは思っていないように感じます。

 

ですから,残業代不払いがあっても,通常は是正勧告どまりです。

 



是正勧告書についてはこのような勧告がされます。

 

 

 

 

 

 

労働基準監督署から是正勧告がされたら,会社としては無視はできないので,是正報告書を出します。
是正報告書についてはこのようなものを作成ください。

 

 

 

 

是正報告書を出す際は,残業代を計算して,全労働者に支払うことになります。
残業代を支払う時は,単に支払っておしまいにするのではなく,労働者との間で和解書を取り交わして支払う方が良いです。このような和解書を取り交せば少なくとも和解契約をした期間については追加の残業代請求をされることはなくなるからです。

 

労働基準監督署からは「3か月分支払いなさい」などと一定期間の残業代を支払うよう勧告がされることも多いです。

 

いずれにせよ漫然と労働基準監督署の勧告に従うのではなく,会社様にも残業代について言い分があるでしょうから,そこは労働基準監督署に報告書を出す前に労働基準監督署と交渉をしていくら支払うかについてすり合わせをした方が良いです。

 

労働基準監督署の言うとおりにすると総額400万円となってしまうけれど,こちらからも労働基準監督署に言い分を主張して,労働基準監督署に総額250万円で納得してもらう等です。

 

労働基準監督署に誠実に対応し,自社のキャッシュフロー等も話せば労働基準監督署も一定の理解をしてくれるはずです。

 

 

労働基準監督署の納得が得られれば,労働者との間で和解書を取り交わして残業代を支払うことになります。

この和解をする際の和解書は,以下のようなものとなります。

 

 

このような和解書を作っておけば,少なくともこの和解書の対象月の残業代を追加で請求されることはありません。


以上のような処理は労働基準監督署対応ができる社労士先生であれば可能ですし,弊所でもサポートできます。労働基準監督署の立ち入りについて心配な会社様は,弊所までご連絡いただければと思います。

 

 

労働局からの通知が届いた際の対応についてはこちら

 

 

 


メールでのご相談予約も受け付け中です。