運輸・運送業

運送業者様の紛争類型について

 

①残業代請求

 

運送業の場合、どうしても労働時間が長くなりがちです。

 

また、現在、ドライバーは人手不足となっており、ドライバーは職場環境などに不満があると、他に勤める会社を探すのも簡単だということで、比較的容易に退職に至ってしまいます。

 

その後、退職した労働者から、在職中の時間外労働について残業代請求がされるケースがしばしばみられます。

 

 

運送業については、在社期間も短い傾向があり、会社に対して特段思い入れもなく、比較的ドライに残業代請求をする傾向があるように感じます。

 

また、労働時間が長いことから、残業代は高額になる傾向にあります。

 

 

そして、労働組合からしても、運送業に対する団体交渉は金銭的メリットが大きく、合同労働組合(企業を越えて特定地域別に組織する労働組合)も多くあります。退職した労働者が労働組合に駆け込み,にわかに労働組合員となって,労働組合から団体交渉を求められるケースもよく見られます。

 

②労災請求

 

労災というと、例えば、工場で怪我をしたというものをイメージするかもしれません。

 

しかし、実は、うつ病や適応障害などの精神疾患も労災の対象となります。

 

そして、過労死ラインといわれる、時間外労働が3ヶ月くらい連続で行われたような場合で、労働者が長時間労働を苦にうつ病になった時は、うつ病や適用障害が労災として認められるようなことがあります。

 

 

紛争としては、労働者側が休職し、傷病手当金などの申請がされた後に、労災でうつ病になったので、労災の給付請求書に署名押印を求めてくるようなものとなります。

 

 

対応方法について

 

①残業代請求への対応

 

前述のように、運送業者様の場合、どうしても労働時間は長くなりがちです。

 

弁護士から内相証明郵便などが来て、残業代請求がされた場合、デジタルタコグラフから車が止まっている時間を集計して、同停止時間を休憩時間とみなせないか検討します。

 

デジタルタコグラフがない場合には通常のタコグラフをチェックして、やはり長い停止時間については休憩時間とみなす余地がないか検討します。

 

その他、日報をチェックするなどして、休憩時間を上乗せする余地がないか検討します。

 

 

団体交渉が求められた場合、会社には団体交渉に誠実に対応する義務があるので、労働組合との間で日時などの打ち合わせをして団体交渉に臨むことになります。

 

時間外労働時間の集計は、デジタルタコグラフやタコグラフをチェックして,休憩時間を上乗せすることを検討していくことになります。

 

 

これらの検討は、判例などの知識も必要となってきますので、使用者側で残業代請求に対応したことがある弁護士にご相談することをお勧めします。

 

 

②労災請求への対応

 

労働者側から、長時間労働、過重労働でうつ病や適応障害などの精神疾患になったので労災を請求する、と言われ、会社が労災の給付請求書に署名、押印を求められたような場合、安易に労災を認めるような署名などをすることは慎むべきです。

 

 

会社の業務を原因にうつ病や適応障害になったということで監督署へ労災給付請求が労働者からされますが、これに対しては、私的な事柄が判明(例えば,労働者が離婚したなど)している場合は、それを主張します。

 

過重労働という主張に対しては、休憩時間が十分とれていたので、過重労働ではないという主張をしていきます。

 

 

これらの検討は、どのような場合に精神疾患が労災になるかの基準や労働組合と交渉したことがある弁護士の立会いがあると、金額の面でも気持ちの面でも、交渉が円滑に進むことが多いので、弁護士等へのご相談をお勧めいたします。

 

 

★当事務所の解決事例

 

会社に対し、元従業員が弁護士を立てて530万円余りの残業代及び遅延損害金を請求してきました。

 

同請求に対し、日報やタコグラフから実際の業務時間を算定した結果、未払残業代は15万円弱であることが判明しました。

 

そこで、第三者に口外しないことを条件に50万円を提示し和解が成立しました。

 

 

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