八重に重なるピンクの花びら
写真の桜は栃木県足利市の総合運動場付近に咲いている八重桜です。
そろそろ冬物のコートを片付けようかと思い始める頃、ソメイヨシノが咲き、暖かい春の日差しが降り注ぐ頃、八重桜が咲き始めます。
今では春の花といえば桜を思い浮かべますが、奈良時代では春の花と言えば梅をさしていたそうです。
元号が令和に決まった時、にわかに話題になった万葉集でも、桜について詠んだ歌よりも梅について詠んだ歌の方がはるかに多く、その人気ぶりがうかがえます。
平安時代に桜ブームが起こり、江戸末期に作られた新品種ソメイヨシノにより、桜の花見が全国的なものとなったのです。
一方で、八重桜の歴史はソメイヨシノよりも古く、桜ブームが始まった平安時代にまで遡ります。
「八重桜」とは品種名ではなく、花びらが幾重にも重なる花の総称です。
その名の通り、丸くてふんわりした形の花は、ソメイヨシノとは違った可愛らしさがありますね。
2020.4.16 事務員A