裁判所・労働局から書類が届いた
裁判所からの通知
近年、悪質な業者からの裁判所を装った架空請求の通知が届いたという問題が多く生じています。
単なる架空請求であれば身に覚えがない以上対応する必要はありませんが、本当に裁判所からの通知である場合には、無視をすることで不利益を受ける可能性があります。
訴状
当事者間の話し合いで解決できないような問題がある場合、訴状を提出することにより裁判所に判断を求めることができます。
つまり、裁判所から訴状が届いたということは受取人に関する法的紛争について訴え出た人がいて、裁判所でその審理が開始されたということになります。
<まずすべきこと>
1.「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」の内容をよく確認する
裁判所からの封筒には、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状、答弁書、および書類の書き方の説明書などが入っています。
その口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状には指定の期日に出頭すること、答弁書を1週間前までに出すこと、証拠などを準備して持参すること等が記載されています。
もちろんご自分で答弁書を書くこともできますが、負担が大きいうえに、弁護士がつけば難しくはないであろう事案も、本人が行うために難航してしまうということも考えられます。
多くの裁判官も、審理を進行する際には、決して本人に一方的に肩入れしてくれることはありません。
したがって、真剣に裁判で争いたいということであれば、弁護士に相談した方がよいといえるでしょう。
2.できるだけ早く弁護士に相談する
そのまま放置して何も対応しなかった場合には、何かしらの不利益を被る危険があります。
身に覚えのないことに関する訴状であっても、放置したままにしてしまうと訴状の内容を認めたことになってしまいます。
したがって、本当に裁判所から訴状が届いた場合には回答をする必要があります。
訴状が届いたら放置せず、具体的な対応策について弁護士に相談してください。
支払い督促
金銭の給付などに関する法的な紛争が生じている場合、債権者は、支払督促手続きを利用することができます。
この申立により簡易裁判所の書記官が支払督促を発布し、債務者は支払督促の送達を受けたときから2週間以内に必ず督促異義の申立をしなければなりません。これは、債権者の主張を全面的に認める場合であっても同様です。
そうしないと、強制執行をされてしまう可能性があります。
支払い督促の内容が理解できなかったり、ご自身での対応が難しい場合には弁護士に相談してください。
労働局からの通知
労働局(労働基準監督署)から来る通知としては、次のようなものがあげられます。
調査に関する通知
- 労働時間調査について(来署願い)
- 労働条件に関する調査の実施について
労働基準監督署の監査は、定期的な調査と従業員の申告による調査があります。
前者の場合は形式的なものですが、後者の場合は、問題点を把握し、対応を考えなければなりません。
あっせん開始通知書
あっせんとは、労働条件や雇用に関して、個々の労働者と事業主との争いごとについて、当事者の両方または一方から申請があった場合に、申請を受けた機関が場を設けて、争いごとの解決を図るものです。
これは、各都道府県の労働局が行っており、無料で利用することができます。
<あっせんの対象になる労働紛争>
労働条件その他労働関係に関する事項についての個別労働紛争です。
Ex)解雇、雇止め、配置転換、出向、昇進・昇格、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争
いじめ、嫌がらせなどの職場環境に関する紛争
会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止などの労働契約に関する紛争 etc.
あっせんを申請された側が、参加するかしないかは自由です。
あっせんに参加しないと返事をした場合は、あっせんでは紛争の解決の見込みがないものとして、打ち切りとなります。
参加をしなかったことで、何ら不利益になるものではありません。
参加をすると、日程を調整してあっせんが実施されます。
弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家が委員となり、当事者双方の主張の確認をし、調整、話し合いを促したのち、当事者双方が求めた場合には、両者に対して、事案に応じた具体的なあっせん案を提示します。
この間、当事者である従業員と会社側の参加者は、直接顔を合わすことはなく、別々に委員に面談しながら進められます。
当事者双方が、あっせん案を受諾した場合、またはその他の合意が成立した場合は、合意書が交わされて解決となります。
一方、合意に至らなかった場合は、打ち切りとなり、他の紛争解決機関による解決を図ることになります。
従業員と会社の紛争は、当事者間で解決することが第一です。裁判の一歩手前で解決を望む場合には、有効なひとつの手段です。
弁護士が紛争の解決に向けてアドバイスをいたします。
労働局から通知が届いた場合には弁護士にご相談ください。