事業再建・債務整理
リスケジューリング(reschedule)について
リスケジューリングとは
リスケジューリングとは、金融機関と交渉をして、現在の融資額について毎月の支払を減額してもらい、それに伴い支払期間を延長することです。
リスケなどとも呼ばれます。
英語で「RE」(リ)とは、「再び」という意味があり、再び返済の「計画をする」(スケジューリング)ということで、リスケジューリングという言葉が使われます。
主に資金繰りが苦しくなったときに行われます。
リスケジューリングのメリット・デメリット
<メリット>
- 毎月の返済額が減るので資金繰りがやや楽になる
<デメリット>
- 毎月の返済額が減るものの、返済期間は長くなるため、長期にわたって債務を返済する必要が生じる
- 追加融資を受けられなくなる
リスケジューリングを成功させるには
リスケジューリングは、あくまで銀行との話し合いです。
銀行が返済額の減額に納得してくれればうまくいきます。
このリスケジューリングをやるにしても、銀行も決済等の時間が必要となりますので、「今月からリスケしたい」といってもなかなかうまくいかないでしょう。
従って、資金繰りが苦しくなっていずれ息詰まる可能性が高いと思ったら、すぐにリスケに取り掛かる必要があります。
この場合、事業計画書や資金繰り表も必要となるのでその用意も必要となります。
弁護士ががお手伝いできること
顧問弁護士を活用していただければ、以下のことにご協力することができます。
①財務状況のチェック
②定期的なミーティング
③金融機関との打ち合わせの同席
手形の不渡りを回避するための方法
通常は手形の支払期日をジャンプして(先延ばしして)不渡りを回避しますが、何度かジャンプをお願いしたことなどからもはや取引先がジャンプに応じてくれないということがあります。
このような場合でも不渡りを回避する方法があります。
それは、裁判所に「弁済禁止の仮処分の申立」をし、裁判所に「弁済禁止の仮処分命令」を出してもらうことです。
「弁済禁止の仮処分」というのは聞きなれない言葉だと思います。
これは、裁判所が、貴社に対し、銀行や取引先に対し支払いをしてはいけないと命令するものです。
裁判所が、取引先に支払っていけないと命令している訳ですから、手形の決済もしてはならない(手形金を払わなくても良い)ことになり、裁判所から支払わなくてよいというお墨付きがある以上、手形の決済をしなくても不渡りとはなりません。
なぜ、このように、債務者に有利な命令を出してもらえるかというと、「弁済禁止の仮処分の申立」は通常、「民事再生の申立」と同時になされるからです。
民事再生というのは、裁判所の監督の下、債務を減らして事業の再生を図る手続です。
民事再生の手続で非常に重視されている理念は、債権者を平等に扱うという債権者平等の原則です。
債権者平等の原則の下では、手形を持っていない債権者も手形を持っている債権者も平等に扱う必要があります。
手形を持っている債権者だけに支払うとすると、その債権者だけを特別に扱うということになり、債権者平等の原則に違反してしまいます。
そのようなことから、手形を持っている債権者も手形を持っていない債権者も等しく扱うようにすべく、手形債権者を含むあらゆる債権者に弁済をしてはいけないとするのが、弁済禁止の仮処分命令です。
裁判所からこの命令をもらえれば、手形の不渡りを回避できます。
気になる点がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。