「無料」の罠にご用心! Web求人広告の自動更新トラブルから会社を守る防御策と初動

 

 

近頃、企業様から「Web求人広告に14日間無料掲載しませんか、という営業の電話があり、無料であればと申し込みをしたところ、14日を過ぎたら突然数か月分の広告掲載料の支払いを求める請求書が届いたのだがどうしたらいいか」というご相談をよく受けます。

最近の人手不足もあり、求人を出される企業様は新たな人材をすぐにでも確保したいと思い求人広告を出されることが多いため、ついつい契約内容のチェックが漏れてしまうのではないかと思います。

本コラムでは、企業様がこの種のトラブルに巻き込まれないための防御策と、万が一請求が来てしまった場合の初動対応について解説します。

 

 

1.広告業者の手口

企業様に広告業者とのやりとりについて伺うと、おおむねこのようなお話が出てきます。

 

・請求書が届いてよくよく利用規約を確認したら、広告業者が指定する方法で解約申入れをしないと無料期間掲載後に有料へ自動的に切り替わると書いてあった

・広告業者から説明を受けている時には、自動更新だという話は一切出なかった

・無料ですよ、ということをとても協調していた

 

この手の業者は、無料掲載であることやお試し掲載であることを強調し、企業様による無料期間後の条件の確認を疎かにさせ、広告掲載申し込みをするよう巧みに誘導してきます。

企業様としては、なるべく早く広告を掲載してもらって広く求人をしたいと考えます。無料ならばとりあえず申し込みしてみるか、という気持ちにさせるのです。

多くの場合、無料期間の終了が近づいても、業者からのリマインドや通知は行われません。

行われたとしても契約期間満了日やその前日といった直近の日付にしかしてきません。

そして、無料掲載期間が満了し自動更新が成立するや否や、突然高額な請求書を送付してきます。

企業様が「そんな話は聞いていない」と主張しても、「申込した段階で契約は成立しています。利用規約にも書いてあります」と言って頑として請求を取り下げません。

業者としては、強硬な姿勢で支払いを迫ることで、「これ以上言っても仕方ない」と半ば諦めさせて広告料を支払わせるのが狙いなのでしょう。

 

2.申し込みをする前にはここをチェック!

このようなトラブルを未然に防ぐ鍵は事前のチェックにあります。無料広告掲載の申し込みをする前に、まず、以下の点をチェックしてください。

〇自動更新の有無

無料期間終了後に「自動で」有料掲載へ更新される条項があるかどうかをまず確認してください。

利用規約は大抵小さなフォントで書いてある上、FAXで送られてくることも多く、非常に読みづらいですが、この点を見逃すと後々大変なことになりますので、見落としの内容に規約や申込書の隅々までチェックすることが肝要です。

〇契約の解除期限と方法

自動更新を停止するための最終期限(例えば無料期間終了の3日前まで等)と、具体的な解約方法(ウェブからの解約申入れなのか、あるいは書面郵送なのか等)を確認してください。

そのうえでカレンダーに登録するなどしてリマインドするようにしてください。

 

《ここに特に気を付けて!!》

ご相談を伺っていると、無料掲載だからと総務部のご担当者が軽い気持ちで申し込みをしたところ、請求書が届いて慌てて上席に報告し、経営陣の知るところになった、という流れがとても多いです。

無料トライアルであっても安易に申し込みはせず、必ず社内の決裁ルートの承認を経るよう社内ルールを徹底されることをお勧めします。

 

3.万が一請求が来てしまった場合の初動対応

前述のような策を講じていたにもかかわらず、うっかり自動更新されて請求が来てしまった場合、焦って支払うのは厳禁です。

まずは、相手方とのやり取り(メール、請求書、契約書、ウェブサイトの利用規約など)を保存するとともに、担当者間のやりとりの時系列をまとめてください。特に「自動更新に関する説明が不十分であった」ことを証明するための証拠が重要になります。

 

専門家に相談を

業者からの請求に対してどのように対応していけば広告料の支払いを免れるかについては、高度な法的知識を必要とします。

ですので、このようなトラブルが起きてしまった時には、業者からの請求に安易に応じて支払いをするのではなく、まず、専門家に相談されることをお勧めします。

弊所では、このような無料掲載期間経過後の高額な広告料請求に関するトラブルについて、広くご相談・ご依頼をお受けしております。

無料掲載期間経過後の高額な広告料請求に関するトラブルでお困りの企業様は是非、一度弊所までご連絡ください。

 


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