コラム
試用期間中の社員の解雇が有効とされた事例-日本コーキ事件-東京地判令和3年10月20日判決
事案の概要 社員Xは試用雇用期間中でした。 会社は溶接グループが繁忙となったことから、即戦力となる溶接経験者を雇い入れる目的で、求人票にもその旨を明記したうえで募集を行いました。 Xの履歴書や職務経歴書からは、商品化に耐えられるだけの溶接の技術力を持っていて会社の即戦力として期待できるものと受け取... 続きはこちら≫
無料掲載期間経過後に高額な広告料の請求が来た場合の対処の方法
事案の概要 最近、企業様から、「ウェブ求人広告の無料掲載キャンペーンに申し込みをしたら、有料に切り替わったので広告料を支払ってくださいという請求書が送られてきたがどうしたらいいか。」という相談を良く受けます。 お話を伺ってみると、大抵のケースで求人広告業者から「今なら14日間無料で広告を掲載できます」といっ... 続きはこちら≫
500件以上の休憩室での発言の秘密録音が違法ではないとされた事例-ハイデイ日高事件-東京地裁令和5年2月3日判決
事案の概要 X及びYはハイデイ日高の従業員として本件日高屋の店舗に勤めていました。 XはYのXに対する言動が職場いじめであると感じ、休憩室でのYの発言を秘密録音し、本件訴訟を提起しました。 裁判所は、Yが休憩室でXのことを(Xはその場にいない)、「いやだ」、「気持ち悪い」、「大っ嫌い」等と言ったことはあくま... 続きはこちら≫
会社の配車指示と手当に関する損害賠償請求の事例ー向島運送ほか事件ー横浜地裁令和5年3月3日判決
事案の概要 XはM運送(株)の社員でした。 XとY1は「24時間降り」で揉めました。 「24時間降り」とは、高速道路のサービスエリアで24時まで待機した後、高速道路を降りるものであり、これにより高速道路代が安くなるというものです。 Xは、平成30年2月頃から24時間降りに協力しなくなり、これにより会社と... 続きはこちら≫
事業場外労働のみなし労働時間制に関する最新最高裁判決―協同組合グローブ事件―最高裁第三小法廷 令和6年4月16日判決
令和6年4月16日に事業場外労働のみなし労働時間制についての最高裁判決がでました(協同組合グローブ事件)。 この事件では,一審(熊本地方裁判所令和4年5月17日判決)会社敗訴(会社が敗訴ということは事業場外労働のみなし労働時間制の適用が認められないということです。),二審(福岡高等裁判所令和4年11月10日... 続きはこちら≫
嘱託職員への期末・勤勉・扶養手当の不支給はパート有期法9条違反か?-社会福祉法人紫雲会事件-宇都宮地方裁判所 令和5年2月8日判決(労判No.1298)
障がい者支援施設で就労していたXは、定年後嘱託職員として勤務することになりました。 定年後の嘱託職員には、期末手当(賞与のようなもの)、勤勉手当、扶養手当、年末年始休暇、夏季休暇がありませんでした。 Xは、施設に対し、これらの処遇が労働契約法旧20条、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の処遇等に関する法律... 続きはこちら≫
退職慰労金で最高裁が逆転判決か!退職慰労金2億350万円の行方は?―テレビ宮崎事件―令和6年6月13日最高裁弁論予定
前回の記事で,最高裁によって退職金の全没収が有効とされた判例(宮城県県立高校教諭事件)を解説しました。 今回は,宮城県県立高校教諭事件と似た方向の判決となる可能性が考えられる,今年6月に最高裁で弁論が開かれる退職慰労金に関する事案を解説いたします。 それが,テレビ宮崎事件です(一審宮崎地裁R3.11.10判... 続きはこちら≫
退職金の全部没収は有効か?―宮城県県立高校教諭事件―最高裁判所第三小法廷 令和5年6月27日判決
退職金1724万円の全部没収が最高裁に有効とされたインパクトの大きい労働判例があります。 それが宮城県県立高校教諭事件(最三小R5.6.27判決)です。 【事案の概要】 Xは昭和62年に宮城県に教諭として採用され,勤務状況には特に問題はありませんでした。 しかし,Xは平成29年4月に同僚の歓迎会から自家用車で帰... 続きはこちら≫
被害者がいないところでの悪口にも慰謝料が認定される?―医療法人社団Bテラス事件―東京高等裁判所 令和5年10月25日判決
マタハラ(マタニティ・ハラスメント)に関して,被害者がいないところでの悪口について慰謝料が認定された珍しい判例をご紹介します。 医療法人社団Bテラス事件(東京高裁R5.10.25判決)です。 【事案の概要】 歯科医院の院長Yが労働者である歯科医Xについて歯科衛生士と共に, 「Xの態度は懲戒に値する,子供を産んで... 続きはこちら≫
社員を出向させることができるのはどんな場合か?-新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件-平成15年4月18日判決
社員を出向させることができるのはどんな場合でしょうか? この点のリーディングケースとなるのが,少し古いですが,平成15年4月18日の新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件の最高裁判決です。 【事案の概要】 新日本製鐵株式会社で働いているX1とX2が会社から出向命令を受けました。 会社が出向命令を出したの... 続きはこちら≫