契約書チェック5

 

相談内容

 

新たな取引先との間で、原材料を加工して報酬を得る業務加工契約を締結しようと考えている。

 

個別の契約の前に、委託加工契約を結ぶ予定であったが、契約締結前に、契約書のチェックを依頼したい。

 

 

 

弊所の対応

 

顧問先様からのご相談です。

 

弊所でチェックをしたところ、以下のようなフェアではないと思われる条項が多数あることが分かりました。

 

  • 取引先が持ち込んだ原材料にうついて、直ぐに検査し欠陥を発見したら直ぐに通知しなければならず、その通知を怠ったら原材料の欠陥について何ら請求ができないとされていた。

 

  • 顧問先様が納入した商品については、取引先が合格と認定した商品のみ受け入れるものとされていた。

 

  • 取引先は、事前の通知をすれば、顧問先様の工場や事務所に立ち入り、保管状況や加工状況をチェックでき、さらに顧問先様の関係帳簿も閲覧することができるとされていた。

 

 

この点を顧問先様に指摘したところ、顧問先様は、契約書を読んで、指摘された点については何となく違和感を持っていたものの、そういうものかと思っていたそうです。

 

顧問先様に、上記3点の他、契約書の他の内容も法律上どうなるかをよくお話ししたところ、今回の契約は見送るということになりました。

 

 

 

今回の契約書どおりにそのまま契約していたら、顧問先様は欠陥品の原材料をつかまされたり、商品を納入しても完成していないなどと不当なクレームをつけられ値引きを迫られたりする可能性がありました。

 

継続的契約の場合、最初の段階でどのような契約をするかがとても重要です。

 

いったん契約をしてしまったら,ずっとその契約に縛られてしまうからです。

 

 

今回のケースでは、顧問先様は契約を見送られましたが、仮に何らかの契約をする場合にはできる限りこちらに有利な条件で契約をすることが重要です。

 

相手方が作った契約書の場合、大抵、こちらに不利なことは非常に小さくさりげなく書いてあるもので、専門家でないとそれに気付けないことも多いです。

 

顧問先様からチェックを依頼された契約書については徹底的に読み込み、不利なところは修正するように、またこちらに有利な条項を入れて貰えるように、アドバイスを差し上げています。

 


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