債務者との交渉

 

 

内容証明郵便を送付すると、大抵は何らかのアクションがあります。電話がかかってくるということが多いでしょう。 

 

多くの場合、一括では返せないので、分割にして欲しいなどと言ってきます。 

 

そこで、交渉となります。

 

 

皆さんは、「分割でも払ってもらえるのであれば」と債務者から電話が来たら安堵するかもしれません。 

 

しかし、ホッとして無闇に分割弁済に応じるだけでは債務者の思うつぼです。

 

分割払いにされるというのは、本来、大きなデメリットです。 

 

 

例えば、銀行から融資を受ける場合、分割で返すことが多いと思いますが、必ず利子を取られます。

 

一括で借りたものを分割で返すというのは、借りた方からすると時間の恩恵を受けるわけです。

 

法律用語では期限の利益ともいいます。 

 

 

債権回収で分割払いに応じるということは、債務者に一定期間返さないでいいという時間の恩恵を与えるものですので、こちらからするとデメリットとなります。 

 

このように、相手方に恩恵を与えるものなのですから、こちらも与えた恩恵に見合うメリットを提供してもらう必要があります。 

 

では、こちらが債務者から提供してもらえるメリットとしては何があるでしょうか。 

 

 

大きく分けると二つあると思います。 

 

担保をとること 

 

弁済の約束を公正証書にすること 

 

 

これらを見ていきます。 

 

 
 

①担保をとること

 

分割に応じる代わりに提供してもらう二つ目のメリットとして、担保をもらうということがあります。

 

担保は大きく分けると、保証人をもらうことと、物を担保としてもらうことに分けられます。

 

 

保証人については必ず連帯保証契約とします。

 

詳しくは専門的になるので述べませんが、連帯保証契約の方が通常の保証契約より効力が強いです。

 

連帯保証契約とするためには単に、契約書に連帯保証とか連帯保証人というように記載をすればいいだけです。

 

 

それから、物を担保としてもらう場合、典型的なのは不動産に担保をつけてもらうことです。

 

そのほか、商品、重機などの動産を担保にとることもできます。

 

私は、依頼者から依頼を受けて、分割弁済とする代わりに、保証人を付けてもらったり、不動産を担保に取ったりして、債権を全額回収した実績があります。

 

 

②弁済の約束を公正証書にすること

 

公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書です。

 

公正証書の目的は、契約や遺言などを公証人に証明させることにより、国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ、私的法律関係の明確化・安定化を図ることであり、作成された原本は公証役場に保管され、債権者には正本が、債務者には謄本が、それぞれ交付されます。

 
 

公正証書について、詳しくはこちら

 

 

 このように,分割弁済を求められたら,公正証書とさせてもらう,担保をもらうなどの交渉をした上で,分割弁済の合意をしていくことになります。

 

 


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