500件以上の休憩室での発言の秘密録音が違法ではないとされた事例-ハイデイ日高事件-東京地裁令和5年2月3日判決

 

 

事案の概要

X及びYはハイデイ日高の従業員として本件日高屋の店舗に勤めていました。

XはYのXに対する言動が職場いじめであると感じ、休憩室でのYの発言を秘密録音し、本件訴訟を提起しました。

 

裁判所は、Yが休憩室でXのことを(Xはその場にいない)、「いやだ」、「気持ち悪い」、「大っ嫌い」等と言ったことはあくまで主観的なことを言っているに過ぎず、またYのXに対する否定的な評価の含まれる録音は500件中2日間分のみであったことから継続的に言っていたものでもないのでハラスメントではないとしました。

 

因みに、Xは休憩室でYの発言を500件以上に渡り秘密録音をしていましたが、その録音の手段や方法に照らして著しく反社会的な手法で人格権を侵害して取得されたとまでは認められないため、これは適法とされました。

 

弁護士の視点

個人的には500件以上の秘密録音は証拠収集として行き過ぎではないかと思います。

 

裁判所は、Xによる証拠収集が適法でも違法でもXのハラスメントの主張は認められないということで、あまり熱心に証拠収集の適法性について判断しなかったのではないかと思われます。

 

 


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