不法就労を防ぐには?在留カード確認時に必ずチェックすべき4つのポイント

 

 

①そもそも不法就労とは? そのリスクは?

不法就労とは、在留資格を持たない外国人(例えばオーバーステイの外国人)が働くことや、在留資格があったとしても、その在留資格で許されない労働をさせることです。


 不法就労に対しては「不法就労助長罪」という刑事罰があります。不法就労については、働いた本人のみが罰せられるとお考えかもしれませんが、それは違います。


 不法就労をさせた場合、働かせた企業も罰せられますし、会社の社長や不法就労に関わっていた総務の方なども罰せられます。その他にも仲介業者、派遣会社なども罰せられることになります。刑事罰の対象者は非常に広いです。
 さらに、その罪もまた重く規定されています。具体的には「3年以下の懲役」もしくは「300万円以下の罰金」などが挙げられ、これらの罪が同時に科されることもあります(入管法第73条の2)。

 

罰せられる前提として逮捕され、新聞報道されることもあります。

 

最近の例では令和8年1月8日に、群馬県伊勢崎市で化粧品梱包をしている会社と金属塗装をしている会社の社長らが不法就労助長罪により逮捕されました。逮捕されたのは日本人とネパール国籍の方でした。この事件は、タイ国籍の方がオーバーステイであったのに働かせていたというものでした。

 

②在留カードの確認すべきポイント

不法就労助長罪は前述したようにとても重い罪ですが、では、不法就労にならないようにするためにはどのようなことに気をつければよいでしょうか。

 

まず大事なのは、きちん在留カードをきちんと確認することです。

 

就労するためのビザを有する人は、在留カードを持っているはずです。

 

在留カードとは例えば以下のようなものです。

 

 

在留カードの確認する時のポイントには、次の点があります。

 

 

(1)在留カードの内容はアプリでチェックする。

外国人を適法に雇用するためには、在留カードのチェックが不可欠です。ただし、近年は偽造、変造された在留カードが出回っており、これらは非常に精巧かつ自然に作られていて、おそらく見た目では偽造、変造品であることを見破ることはできません。


そこでこのような偽造、変造の在留カードに騙されないよう、在留カードの内容を必ずオンラインで確認してください。


出入国管理庁は在留カードの読み取りアプリを発行しています。

 

このアプリで在留カード内に埋め込まれているICチップを読み取ることによって、在留カードの内容が正しいものであるか(偽造や変造がされていないか)をチェックすることができます。

 

(2)在留カードの原本を確認する

アプリで在留カードのチェックができない場合、必ず原本を確認ください。コピーでは、記載された内容が虚偽の内容に改ざんされている可能性があります。

 

必ず原本確認を徹底し、不自然な点がないかチェックしてください。

 

 

(3)在留期間の満了日をチェック

在留カードには在留期間の満了日が記載されています。

 

会社が雇用しようとしている外国籍の方の在留期間が満了となっていないか必ず確認ください。

 

 

(4)在留カードの就労制限の欄をチェック

在留カードには就労制限があるかどうかも書かれています。

 

就労制限の欄が「就労制限なし」とされていれば、日本人と同様にどんな仕事をすることも可能ですが、この欄に「在留資格に基づく就労のみ可」とされている場合には、その在留資格に基づく仕事しかできません。例えば、在留資格が「技術・人文知識・国際業務」の場合、この在留資格に基づく仕事しかできません。

 

「技術・人文知識・刻材業務」の在留資格をお持ちの外国籍の方は結構多いですが、「技術、人文知識、国際業務」の在留資格は、理学、工学、法律学、経済学などの技術、または知識を要する業務をすることが前提となっており、この在留資格者に、工場作業員などの単純業務をさせることはできません。


 もし、「技術、人文知識、国際業務」の在留資格者に工場での単純作業などをさせると、それは不法就労の助長に該当し、会社は捜査を受けたり、その程度が悪質な場合には刑事事件として立件されたりする可能性もありますので、注意が必要です。

 

③「知らなかった」で済まされるか?

仮に、会社が外国籍の労働者の方から「技術・人文・国際業務」の在留資格が記載された在留カードの原本を提示され、それを信じて就労させていたところ、実は提示された在留カードが偽造や変造されていたとします。この場合に、会社側に不法就労助長罪は成立するでしょうか。
 不法就労助剤にはこのような条文があります。

 

(入管法第73条の2第2項)

「不法就労であることを知らなかったという理由で、処罰を免れることはできない。ただし、過失がないときはこの限りではない」

 

これは無過失でければ処罰を受けるということです。

 

 

例えば、会社が提示された在留カードの原本をきちんとチェックしかつその原本が非常に精巧に作成されていたとすると、会社には過失がないということで処罰を免れる可能性が高いでしょう。一方で、偽造や変造された在留カードの原本がずさんな作りで、常識的にみて偽造だとわかるという場合、会社には過失があるとして処罰されることになってしまいます。

 

先程述べたように、原本として提示された在留カードが偽造や変造されている可能性もあります。しかし、前述のアプリでICチップを読み取った場合、その偽造・変造に騙されることはまずありません。そのため、できる限りアプリを用いて在留カードの内容をチェックするようにしてください。

なお、アプリを使用する場合には、在留カードの持ち主と目の前の人物が同一人物であるかを必ず確認するようにしてください。カード自体が本物であっても、面接を受けに来た人物と在留カード上の人物が異なる場合にはやはり不法就労となってしまいます。

 

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 弊所は、外国人労務問題に注力している事務所です。外国人労務問題で不法就労助長罪に問われると、単に罰金を支払えば済むという話ではありません。起訴されれば前科となり、企業の社会的信用は失墜します。さらに、今後数年間にわたって新たな外国人を雇用することが困難になるなど、事業の継続そのものに深刻なダメージを与えることになります。

 

「うっかり確認を忘れていた」、「悪気はなかった」という弁解が通用しないのが、入管法の厳しい側面です。

 

「この在留資格でこの業務をさせても大丈夫か?」、「採用予定者の在留カードが本物か不安がある」といった疑問や不安をお持ちの経営者様や人事担当者様は、取り返しのつかない事態になる前に、ぜひ一度弊所へご相談ください。専門的な知見に基づき、会社のクリーンな雇用環境の構築を全力でバックアップいたします。

 

 

 

 

 


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