会社の配車指示と手当に関する損害賠償請求の事例ー向島運送ほか事件ー横浜地裁令和5年3月3日判決

 

 

事案の概要

XはM運送(株)の社員でした。

 

XとY1は「24時間降り」で揉めました。

「24時間降り」とは、高速道路のサービスエリアで24時まで待機した後、高速道路を降りるものであり、これにより高速道路代が安くなるというものです。

 

Xは、平成30年2月頃から24時間降りに協力しなくなり、これにより会社との間で軋轢が生じたのです。


M運送は、Xが24時間降りに協力しないことやその他の言動からXと会社との間で信頼関係が失われているとして、Xに出張手当や早出手当の付く配車をほとんどしなくなりました。

 

これらの手当はXの月額賃金の約26パーセントにあたります。

手当の付く配車がされなかったことによりXは損害を受けたとして会社を提訴しました。

 

裁判所は、会社の配車が違法な配車であると認定し、Xは手当の付く配車が受けられなかったことにより380万円近くの損害が生じたと認めました。

 

 

弁護士の視点

裁判所から、会社のした配車が懲戒処分(減給)的に捉えられ、減給額が大きすぎる、事前の注意指導がないとして、配車処分に合理性がないとされた珍しい判決です。

 

 


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