財産開示手続の具体的事例
前回のコラムにて、債権回収のひとつの手段として、財産開示手続というものがあることをお伝えしました。
本コラムでは、弊所で取り扱った財産開示手続の事案を具体的にご紹介いたします。
財産開示手続の具体的事例
もともとのご依頼内容は、交通事故の損害賠償請求でした。
運の悪いことに、事故の相手方は任意保険に加入していませんでした。
怪我については自賠責保険から支払いを受けることができましたが、車の損害については自賠責保険ではカバーできないため、相手方本人に支払ってもらうしかありません。
しかし、相手方に連絡をしていたものの次第に連絡が取れなくなってしまったとのことで、お困りになったご依頼者が弊所にご相談くださり、お引き受けすることとなりました。
受任後、まず相手方に対し支払いを求める内容証明郵便を送付しました。しかし、相手方は内容証明郵便を受け取らず、留置期間経過で返送されてきてしまいました。
そこで、裁判所に訴訟提起いたしました。
相手方は裁判にも出頭せず、こちらの言い分が全面的に認められる判決が言い渡されました。
ご依頼者は相手方の勤め先や口座番号などの情報はご存知ではないというお話でしたので、財産開示手続の申立をすることにいたしました。
相手方は、財産開示手続期日にも出頭しませんでした。
ただ、相手方からは財産開示手続期日後に一度電話があり、「一括では支払えないから分割して支払う」という申し出があったのですが、その後連絡はなく、また弊所からの電話にも出ていただけませんでした。
そのため、警察署へ告発状を提出いたしました。告発は無事に受理され、警察が捜査に乗り出してくださいました。
その後ほどなくして、相手方側から支払いをする旨の連絡があり、無事に全額を回収することができました。
恐らく、警察の捜査が入ったことで、相手方も観念したのでしょう。
このように、財産開示手続は債権回収について一定の効果を期待できる手続になっています。
是非弊所へご相談ください
債権回収でお困りの企業様は是非弊所までご相談いただければと存じます。