元従業員から弁護士を通じて未払残業代約205万円の請求がされ、労働審判の結果、45万円での和解が成立した事例

 

業種

 建設業

企業規模

 50名以下

相談者

 代表者

 

依頼前の状況

 

元従業員から未払残業代約205万円の請求がされました。

 

解決までの流れ

 

労働審判の結果、45万円での和解が成立しました。

 

事実の経過

 

社労士先生の顧問先企業様を退職した元従業員が、代理人を通じて、未払賃金算定のため賃金台帳や就業規則等の資料の送付を求めてきたとのことで、社労士先生と弊所へご相談くださり弊所で依頼を受けました。

 

弊所にて受任後、元従業員側弁護士へ賃金台帳等を開示しました。

元従業員側弁護士は、休憩時間が全くなかったなどとし、未払残業代約205万円を請求してきました。

弊所が企業様からよく話を伺ったところ、元従業員は休憩時間を十分に取れる状況にあったと主張する余地がありました。

また、支払っていた給与の一部は固定残業代とみなす余地もありました。

 

企業様のご主張をもとに弊所にて休憩時間をカウントし、かつ給与の一部は固定残業代であるとして弊所で残業代を計算した結果、未払残業代はないとの結論となりました。そこで、元従業員側弁護士に対し、請求には応じられない旨回答しました。元従業員側はそれでは納得がいかないとして裁判所へ労働審判を申し立ててきました。

 

労働審判での請求額は約180万円でした。これに対し弊所では、休憩時間が多く取れていること、また、支払っている手当の一部は固定残業代であるとして、支払える未払残業額はないと改めて主張しました。

 

裁判所は、休憩時間については、元従業員側と弊所の主張の折衷的な認定としましたが、固定残業代についてはほぼ弊所の主張を採りました。結果、45万円という企業様にとっては非常な有利な内容での和解ができました。

 

解決のポイント

 

本件は、手当の一部を固定残業代として裁判所に認めてもらえたことで当方に有利な和解をすることができました。

固定残業代については日本ケミカル事件という最高裁判所の判例があります。弊所は、企業様の手当の一部はこの最高裁判所判例からして固定残業代にあたると主張をし、それを裁判所に認めてもらえたのです。

 

とは言え、それほどたやすく認めてもらえたわけではありません。

 

まず、弊所は日本ケミカル事件の中身を詳細に述べ、最高裁判所調査官が日本ケミカル事件についてどのように言及しているかも主張しました。

また、企業様には、固定残業代の就業規則も労働契約書も実はありませんでした。このような状況の中で固定残業代としての有効性を認めてもらうのは容易ではありません。

しかし、過去に、就業規則などがなくても固定残業代を認めた裁判例がありましたので、弊所では同裁判例(大阪地方裁判所堺支部令和3年12月27日判決・株式会社浜田事件)を引用しました。

 

その結果、本件では裁判所に固定残業代の有効性を認めてもらえたのです。

 

解決するまで要した期間

 

解決するまで要した期間:11か月

 

弊所にご相談ください

 

このような主張立証活動は、使用者側の労働事件に精通できる弁護士でないとできません。

 

顧問先が残業代請求をされて困っておられる社労士先生や残業代請求をされている企業様は是非、弊所にお気軽にご相談いただければと存じます。

 

 

 


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