偽装業務委託契約のリスク-宝塚歌劇団の事例を考える-
1 宝塚歌劇団の契約形態
宝塚歌劇団の劇団員の女性がお亡くなりになり、警察が自殺の可能性が高いとして調査をしています。
劇団員と劇団の間では業務委託契約がされていたということですが、実質的には労働契約でしょう。
というのは、報道によれば、劇団員は、
①劇団が決定した組所属・出演作品・配役・出演劇場・出演期間などについて一切方針に従わなければならない、
②劇団の定めた稽古に参加し演出家などの指示に従わなければならない、
③劇団の許諾を得ずに劇団以外で演技・歌唱などを行ってはならない、
とされていたようです。
劇団員としては劇団からの指示を拒絶することはほぼ不可能ですから、劇団員は劇団からの指揮命令を受けていたと言え、業務委託契約ではなく労働契約にあたると思います。
2 偽装業務委託契約の問題点
これは宝塚歌劇団だけの問題だけではなく他の劇団にも波及する問題のような気がしています。
【社労士先生向けコラム-偽装業務委託のリスク】で、アマゾンジャパンの配達員について、違法な業務委託契約であり配達員の契約は労働契約として認定されるだろうと書きました。
日本ではこの偽装業務委託契約がまだまだ多く、そのような場合どうしてもブラックな働き方になってしまい、今回のような自殺問題にまで発展しえます。
この場合の会社が受ける損害賠償リスク、信用棄損リスクは大変なものです。
3 弊事務所にご相談ください
もしかしたら偽装業務委託契約かもしれない、と思われるような関与先様がいらっしゃいましたら、早めに契約内容の変更を検討されたほうがよいと考えます。
弊事務所では、関与先様での業務委託契約が偽装業務委託契約に当たるかどうかについてのアドバイスをはじめ、労働契約全般についてサポートさせていただいております。
社労士先生におかれましては是非お気軽にご相談ください。