Vol.18【中小企業のための契約の知識について その3】
(平成29年5月12日)
【中小企業のための契約の知識について その3】
前回のメールマガジンで,契約書を結ぶ意味を,できる限り取引を有利にすることにあると説明いたしました。
そのほかにも,契約書を結ぶことには,重要な意味があります。
それは,①代金額をしっかり書面に残すことと,②仕事の範囲を確定することです。今回のメールマガジンは①,②を説明します。
まず,①です。例えば私のような弁護士業でもそうですが,ご依頼を受けるときに書面を残しておかないと,後で「言った,言わない問題」が発生してしまう可能性が大いにあります。
「言った言わない問題」とは,「あの時,あのように言った」,「言っていない」というのが当事者間で食い違うことです。
代金で,この問題が起こると深刻です。
お金を支払ってもらう方が泣き寝入りすることになりかねません。
「言った言わない問題」を回避するために,代金が明記された契約書が重要な意味を持ちます。
それから,私のような仕事でもそうですが,仕事の範囲を予め確定しておかないと,クライアントから同じ代金で際限なく仕事を依頼されることになりかねません。
このような問題を回避するために,契約書で②仕事の範囲をきっちり確定しておく必要があります。
契約書には,①代金額を書面で残すこと,②仕事の範囲を確定する機能もあり,この①,②の観点からも契約書を作ることは重要です。
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