メールマガジンvol.98【カスタマーハラスメントへの対応】
最近、カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラがよく報道等されておりホットトピックスになっています。
カスハラについては弊所のメールマガジンvol.96でも取りあげました。
カスハラは会社としては二側面の問題があります。
一つ目の側面は、自社の従業員がカスハラをしていた場合です。
例えば、
①自社の購買部の社員が取引先の企業の営業社員に怒声を浴びせる、
②自社の営業社員が取引先の企業でのお気に入りの女性社員を自分の担当にさせセクハラをする、等です。
これら場合、取引先の社員がメンタルを病んでしまい休みがちになる、取引先の企業が「こんな会社にはもう商品は売れない」ということで自社と取引をしてくれなくなる、さらに取引先企業が自社がカスハラを止めなかったとして自社に対して損害賠償請求をしてくる等のリスクがあります。
カスハラの二つ目の側面は、自社の社員がカスハラを受けている場合です。
上記の①、②を自社の社員が受けていたり、飲食店などであればクレーマーから自社の社員が暴言を吐かれたりネチネチ悪口を言われたり中傷されたりSNSに晒されたりなどです。
行政ではネームプレートから職員が名前を知られSNSで晒される等が問題となっています。
この場合は自社の社員が休職してしまったり自社がカスハラを止めてくれなかったとして自社の社員が自社に対して損害賠償請求してきたりする可能性があります。
弊所でも顧問先様にスポーツジムを経営されている会社様がございまして、その会社様の女性従業員が利用者に付きまとわれるといった事案が発生したことがあります。
その会社様は直ぐに対応し、弊所にも相談くださって、弊所から利用者に内容証明郵便を送付してカスハラをやめてもらいました。
精神疾患での労災請求が増えており、令和5年度からはカスハラによる精神疾患も労災で認定されるようになりました。令和5年度ではカスハラによる精神疾患が労災認定された事案は52件ありうち47件は女性で、女性が標的になる傾向が顕著です。女性社員は言い返してこないと甘く見て、クレーマー的な男性が強く言うのでしょう。
以前のメールマガジンでも述べましたが、人手不足の現状の中カスハラ対策は従業員の離職を防ぐためにとても重要です。
カスハラをしないという観点からは研修が重要ですし、カスハラをさせないためには「カスハラ撲滅指針」などを作成しお客様に「このような言動はやめてください」ということを明らかにするのが良いです。
弊所でもこのようなサポートをさせていただけますので、顧問先様や関心のある企業様はご連絡いただければと存じます。
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