Vol.35【中小企業のため固定残業代の知識について その1】

(平成31年1月24日)

 

【中小企業のため固定残業代の知識について その1】

 

今回からは定額残業代という問題を考えてみたいと思います。

 

多くの会社では社員さんの残業代が発生します。

 

残業代が毎月5万円くらいの社員さんもいるかもしれませんし,10万円や15万円等多額の残業代が発生する社員さんもいるかもしれません。

 

 

ところで,定額残業代という制度をご存知でしょうか。

 

就業規則などで,真正面から定額残業代というものを設けている企業さんはほぼないと思います。

 

真正面から定額残業代を設けている訳ではないですが,企業さんの中には,「業務手当は残業代に変えて支払う」,「業務手当は3万円とする」,ということにして,業務手当3万円を払っているといったような場合があります。

 

この場合,企業さんとしては,毎月3万円の残業代を業務手当という名目で払っているというわけです。

 

この3万円の他に,「長時間の残業をしている場合には別途残業代を毎月払っている」,という企業さんもありますし,「残業はいくらしても残業代はこの業務手当だけ」,という企業さんもあります。

 

 

ところで,業務手当3万円という名目にして,残業代を払うことは,法律問題として考えた場合,正しいのでしょうか。

 

この問題を考えたことがなかった方は,是非考えてみてください。

 

 

法律的に,業務手当3万円という名目にして残業代を払うことが違法とされた場合,業務手当3万円は残業代とみなせないばかりか,一度給料の一部として支払った以上,この3万円を返してもらうこともできません。

 

仮に,労働者さんと揉めてしまい,労働者さんから貴社に100万円の残業代の支払いを求める内容証明郵便が届いたとします。

 

貴社としては,「いやでもうちは,月3万円は業務手当という名目で残業代を払っている」,と主張して,この月3万円を労働者の請求から引きたいですよね。

 

 

ところが,裁判で,業務手当という名目で毎月3万円の残業代を払っていたと主張しても,認められないことがよくあります。

 

「ある手当の名目で残業代を払った場合,それを正当な残業代とできるか」,という問題は,裁判で激しく争われており,最高裁判所の判例を始め,たくさんの裁判例が出されています。

 

 

口頭で,以下のようなやり取りがあったとします。

 

(社長さん) 「業務手当3万円は,残業代としてみなして払うよ。」

 

(労働者)  「分かりました。」

 

裁判では,このような口頭のやり取りがあっただけでは,業務手当を正当な残業代の支払とみなして,残業代の請求から引くということは認められません。

 

これは,考えようによっては,3万円を無意味に払っていたという大変悲惨な状態とも言えます。

 

では,どうすればよいでしょうか。

 

 

鍵は,就業規則と雇用契約書です。これらの書面の具体的な内容は次回お話しさせていただきます。

 

 

【編集後記】

 

1月12日にインフルエンザにかかりました。

 

ご依頼者様にご不便をおかけしました。

 

また,予定していた研修会講師もキャンセルしてしまい,ご出席を予定頂いていた皆様にもご迷惑をおかけしてしまいました。

 

皆様に,この場を借りて謝罪申し上げます。

 

 

インフルエンザはA型でした。子供の頃はインフルエンザには一度もかかったことはなかったです。

 

しかし,去年はB型にかかり,今年はA型です。

 

去年も今年も予防接種は受けていましたが,その甲斐もありませんでした。

 

 

ところで,私は12日(成人の日)に発症し,医療機関は休みなので,休日当番医で診察を受けました。

 

遅めの時間に行った方が待ち時間が少ないかなと思って,16時半くらいに休日当番医のところに行きました。

 

受付では,「車で待っていてください」,と言われました。

 

「2時間くらい待つのかな」,と思っていましたが,私が診察を受けられたのは,23時くらいでした。

 

 

つまり,6時間半くらいエアコンをつけた車の中で悪寒にブルブル震えながら,診察を受けるのを待っていました。

 

この6時間半は,大げさかもしれませんが,地獄でした。

 

 

待ち始めて2時間くらいは,「今週は忙しい。研修会講師もある。どうかインフルエンザの診断は出ないでくれ」,と祈っていました。

 

しかし,待ち時間が3時間を超える辺りで,体調の悪化に拍車がかかり,「これはインフルエンザに間違いない。

 

インフルエンザであってくれ。早くタミフルを飲んで楽になりたい(インフルエンザという診断がされない限りタミフルは処方されません)」,と考えるようになっていきました(軟弱で申し訳ありません)。

 

結果,めでたくというか何というか,インフルエンザにかかっているということで,タミフルを処方してもらえました。

 

 

去年のB型では,発症後直ぐタミフルを飲み,翌日には85%くらいまで回復しました。

 

一般的にA型の方が重症だと聞きます。

 

初めてなったA型は本当にきつかったです。

 

B型と違い,3日くらいは熱と関節痛でぐったりしていました。

 

 

一冬で,A型に2度かかったり,A型とB型どちらにもかかったり,という例もあるようなので,一度インフルエンザにかかったとはいえ再度かからないよう体調管理には細心の注意を払おうと思います。

 

今回知ったことですが,自分にインフルエンザの陽性反応が出なくても,家族がインフルエンザにかかっていると,受診した時点の症状を診て,タミフル等を予防投与として処方いただけることがあるようです。

 

 

皆様も,インフルエンザにかからないよう体調には十二分にご注意ください。

 

 


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