Vol.44 【中小企業のための最新のハラスメントの知識 その5】
(令和元年10月31日)
【中小企業のための最新のハラスメントの知識 その5】
前回、上司が問題のある社員(パフォーマンスに問題があったり、協調性に問題があったりする社員)に対し、きつく指導をする、大声を出すなど、指導方法を間違えることにより、指導がハラスメントとされるという、指導間違え型のハラスメントが増えているとお伝えしました。
私は、このようなハラスメント態様を現代型ハラスメントと呼んでいます。
受け手が嫌なことは何でもハラスメントとされる世の中です。
近時、アルコールハラスメント(飲み会でのハラスメント)、アカデミックハラスメント(大学などの教育機関でのハラスメント)、ドクターハラスメント(医者から患者へのハラスメント)など、様々なハラスメントが定義されるようになってきています。
ロイヤーハラスメント(弁護士による顧客へのハラスメント)という言葉もそのうち生まれると思います。
仕事柄、ご相談者様の意に沿わない結論となりうることをアドバイスしないといけないこともあるのですが、それがハラスメントと言われる可能性があるので、今まで以上に説明の仕方に気をつけないといけないと感じています。
職場で部下を持つ方(管理職など)も、どこまで部下に言って良いのかわからない、という方が増えてきています。
よく顧問先様の社内勉強会でお話するのですが、部下が作成した書類を「書き直し」と言って、つきかえすのはハラスメントでしょうか?
若手社員からはこのような対応もハラスメント扱いされてしまいそうですが、仕事に関連しており、どこを書き直すのか明示していればハラスメントではないと私は考えます。
裁判例を見ても、裁判所からハラスメントと認定されるのは上司がかなりひどい対応をしているものであり、少し口調が強くなったくらいではハラスメントにはなりません。
皆様に気をつけていただきたいのは、私的なことを質問しない、大声を出さない、大勢の前で侮辱しない、などで、これらに気を遣っていればあまり神経質になる必要はないと思います。
次回からは、新たな在留資格「特定技能」や「外国人雇用」についてシリーズでお伝えします。
編集後記
9月に大洗町で行われたサーフィンの大会に出場してきました。
この大会には5年前に出場して、1回戦で敗退したので、今回の目標は1回戦通過です。
競技は12分間行われ、5人でライディングを競い、2人が勝ち上がれます。
私の試合になり、ビーチに行くと、小学校2年生くらいの子が対戦相手の一人にいました。サーフボードはその子のおじいさんと思わしき人がビーチまで運んでいました。
「うわー、ちびっこ選手が相手かー」というのが、第1の驚きです。
試合が始まり、私はちびっこ選手とは少し離れて競技をしました。
12分間の競技を終え、自分としては満足のできるライディングができました。
競技が終わってから20分後くらいに結果のアナウンスがありました。
ちびっこ選手が勝ちあがっており、これが第2の驚きでした。
さらに、その後、本部テントに貼ってあるちびっこ選手の名前を見たところ、なんと女の子で、これが第3の驚きでした。真っ黒に日焼けして短髪だったので、てっきり男の子だと思っていたのです。
私の結果は……、
1回戦敗退です。
また来年、出直します。
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