メールマガジンvol. 70 【問題社員の退職勧奨】
中小企業と顧問業務でお付き合いしていますと、会社の方から、「業務中居眠りしている社員がいる。」、「営業に出ているはずなのに、自宅に車があったという情報提供があった。」、「全く仕事ができないばかりか注意を受けても聞いているのか聞いていないのかわからない。」、といったような相談をしばしば受けます。
昔はこのような社員については、「やる気がないなら辞めろ。」、「進退を考えろ。」等の発言が普通にされていました。
私も恥ずかしながら学生時代に建築現場でアルバイトをしていた折、現場の方から「お前もう帰れ。」と言われたことがあります。自分では一生懸命やっていたのですが、頑張りが足りなかったようです。
この「辞めろ。」とか「帰れ。」は本当に辞めさせたい場合もありますが、そうではなく愛の鞭と言ったら大袈裟ではあるものの、本人を発奮させる目的であることも多かったようです。
昔は職場だけでなく、学校や家庭でもこのような発言が普通にありませんでしたか。
しかし、現代において「やる気がないなら辞めろ」等の発言をした場合、パワーハラスメントやモラルハラスメントになる可能性があります。さらに、そういう発言がある会社等がブラック企業扱いされることもあります。
このことは中小企業の役員や幹部の方に理解はされていますが、成果のあがらない社員にどう対応するかは、近年、中小企業で悩みの種となっています。
そこで、そういったローパフォーマー社員については、口頭ではなく「書面」で指導をすることをお勧めします。
書面の指導であれば、激高などしてハラスメント扱いされるリスクもなく、また重みもあるため口頭による指導より効果的だと考えられます。
書面による業務指導の詳細については次回のメルマガでお伝えします。
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