Vol.1【上司はパワーハラスメントなんて気にする必要ない!? その1】
(平成27年5月13日)
【上司はパワーハラスメントなんて気にする必要ない!? その1】
今月から,「北関東の中小企業のための企業防衛の秘訣」というメールマガジンを月に一度か二度のペースで配信させていただくことにいたしました。
末永くご愛読いただければ幸いです。
今回のテーマは「パワハラ」です。パワハラとはパワーハラスメントの略で,権力や地位の差に基づく嫌がらせのことです。
最近,パワハラの裁判を起こされるケースが増えています。
労働事件の判例集を読んでいると,病院で医師が職員に,大学で教授が非正規の講師などにするハラスメントが多いという印象です(後者はアカハラ(アカデミックハラスメント)ともいいます。)。
弁護士が訴えられたケースは私が知る限りありませんが,今後出てくるかもしれないので,私も注意しないといけないと思っています。
パワハラといっても何をもってパワハラというかよく分からないという方も多いと思います。
そこで,具体例について説明したいと思います。
まずは暴力です。
殴ったり物を投げつけたりしたら当然パワハラです。
そんなことはしないと思われた方が多いかもしれません。
ただ,今でも社長から殴れられたとか叩かれたとかいう話をたまに聞きます。
一番気を付けなければならないのは,暴言です。
「バカ野郎」とか「アホ」などと言うことです。
ミスに対して大声で怒鳴るというのもパワハラになります。
従業員が何も言い返して来ないので,暴言や大声で怒鳴るのが常態化している人がいます。
このような場合,後々,その従業員が辞めた後に損害賠償を求める裁判を起こされる可能性もあるので注意が必要です。
講演などでよく話すのですが,昔は「アホ」と言ったり怒鳴ったりすることは「愛のむち」ということで許容されてきたのかもしれません。
団塊の世代などの人からすれば,このような言い方は当然のことで自分たちはそのように育てられてきたのだから,若い人も耐えられると感じるのかもしれませんが,社会が変容してきているので,現代ではきつい言い方は控えなければならなくなってきています。
次回は,社内でパワハラがあるのに,それを放置した場合,会社がどのような責任を負うかを説明いたします。
- メールマガジンvol.99 【セクハラ事案で「同意の抗弁」は通用するか?】
- メールマガジンvol.98【カスタマーハラスメントへの対応】
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