Vol.22【中小企業のための解雇の知識について その1】

(平成29年10月21日)

 

【中小企業のための解雇の知識について その1】

 

日本IBMが業績の悪い社員を解雇したことについて,先月,東京地方裁判所が解雇を無効とする判決を出しました。

 

日本IBMの就業規則には「業績が著しく劣っていて改善の見込みのない社員は解雇できる」とされていて,日本IBMがこの規定にあたると考えた社員を解雇したところ,社員側が解雇の無効を主張してきたのです。

 

日本IBMはアメリカ本社の方針で,業績や勤務態度に問題のある社員を大胆に解雇する方針が取られていたようで,少なくない人数が解雇されたとの情報もあります。

 

それに対し不服があるということで,裁判を起こした人も何人かはいるようです。

 

この裁判では,東京地裁は,解雇は無効であるという判断をしました。

 

 

ところで,解雇が無効とされると,どうなると思われますか?

 

 

まず,解雇が無効なので,その社員は解雇前と同様に,日本IBMの社員であるということが認められることになります。

 

さらに,会社にとって,ダメージが大きいのは,解雇をしてから,裁判が終了するまでの賃金を100%払うことになる点です。

 

日本IBMの裁判では未払い給与の支払いが1070万円命じられています。

 

これは大変なことで,10人いたら支払額は1億円超えになってしまいます。

 

日本IBMのような大企業なら,1億円の支払も大したことないのかもしれませんが,中小企業でこのような支払いが命じられてしまったら,倒産という事態もあり得ます。

 

 

日本IBMがどうして,この裁判に負けてしまったか,会社側としてどうすればよかったかを次回お伝えしたいと思います。

 


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