Vol.23【中小企業のための解雇の知識について その2】

(平成29年11月10日)

 

【中小企業のための解雇の知識について その2】

 

前回は,日本IBMが社員を解雇したところ,裁判に敗訴して1070万円を払うことになった事件について触れました。

 

日本IBMの就業規則では「業績が著しく劣っていて改善の見込みのない社員は解雇できる」となっていて,日本IBMはその社員がこれにあたるとして解雇したところ,裁判を起こされ敗訴したという話でした。

 

 

ほとんどの企業では就業規則があります。  就業規則には解雇できる場合が書かれていますね。

 

例えば,「欠勤を3回した場合」とか「業務意欲が乏しく改善の見込みのない場合」などです。

 

では,これにあたる社員がいるとします。その人を解雇できるでしょうか。

 

残念ですが,解雇をしても後で裁判を起こされれば,ほとんどの事例で解雇は無効とされてしまいます。

 

裁判所は,形式的に就業規則に該当していても,余程悪いことをしていない限り,解雇は認めないという立場をとっているからです。

 

 

アメリカでは解雇は簡単にできるのですが,日本ではそうはいかないのです。

 

日米でこのような違いがあるのは,日本には終身雇用制度という考え方があること,アメリカでは労働者が色々企業を渡り歩いてステップアップを目指すのが当たり前ですが日本にはこのような考えがないこと,などが背景にあると言われています。

 

次回は,どのような場合に裁判でも有効と認められる解雇をできるかについてお伝えします。

 

 


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