Vol.32【中小企業のための懲戒処分の知識について その5】
(平成30年10月10日)
【中小企業のための懲戒処分の知識について その5】
前回のメールマガジンで,懲戒をする場合,処分が重すぎないこと,処分の均衡がとれている必要があることをお話ししました。
ところで,皆様の会社では,従業員の違反行為があった時などに,懲戒処分を利用していますか?
ある懲戒の実態調査によると,調査に回答した184社の内,最近1年間で「戒告,けん責」の処分(注意処分,単に始末書を出させることを含む)を行った会社は,46社でした。
つまり,最近1年間で「戒告,けん責」などの懲戒処分をしたのは25%に留まるということです。
因みに,調査への回答では全ての会社で懲戒制度が整備されていました。
調査に回答をした会社は上場企業,又は,上場企業に匹敵する非上場企業です。社員も多いでしょうから,1年間の内,「戒告,けん責」の処分をするような社員の問題行動等は,相当数あったはずです。
このような会社では,総務部,人事部等が十分に機能していることが多いです。
総務部,人事部が機能している会社で,問題行動もあったはずなのに,75%の会社は問題行動等に対し,懲戒処分をしていないのです。
ところで,もう一つ興味深いデータがあります。
過去1年間で,戒告,けん責の処分をしたのは,46社だと言いました。この46社の処分件数は,306件なのです。
1社で1年あたり6.6件です。割と多いですね。
これらのデータから,「懲戒は使っている会社は少ない,しかし使っている会社は積極的に使っている」,ということが言えると思います。
懲戒制度は,企業秩序の維持のため,法律が会社に認めてくれている会社の権利です。
これを有効活用しないのは非常にもったいないことです。
次回のメルマガでは,懲戒制度を実効的に活用して,会社の人材定着を図ったり,社員の生産性向上を図ったりすることについてお話しします。
【編集後記】
私はコーヒー好きで,気分転換に,コーヒー店で,広報用の記事を書いたり,本を読んだりしています。
私の推しは,タリーズです。専門店ではタリーズが一番おいしいと思います。館林のアゼリアモールに行くときにはタリーズのコーヒーを飲みます。
ところで,先日,館林でもスターバックスが開店したので,早速行ってきました。
場所は,県道7号線沿い,館林市役所,館林女子高の近くです。電器店やスーパーも近くにあります。
ターゲット層は,市役所職員,女子高生,その他買い物客かなと思いました。
開店日はそれほどお客さんはいなかったのですが(開店日の8時ということもあったでしょうが),数日後の平日午後はお店の自転車置き場にびっしり自転車が止まっていて,女子高生とどこから来たのか男子高生もたくさんいました。 立地の狙いは当たっているように感じます。
店内は,流石に,スターバックスらしくスタイリッシュにまとめられていました。ただ,充電をしながら利用できる長テーブルは,地方の路面店であるのに,椅子と椅子の間隔が狭く,このテーブルではパソコンを使っての作業はしにくいと感じました。
他のコーヒー店の常連客もちらほら見かけました(お互い顔を覚えており,私は,挨拶を交わす方もいます)。
写真はこちら
- メールマガジンvol.99 【セクハラ事案で「同意の抗弁」は通用するか?】
- メールマガジンvol.98【カスタマーハラスメントへの対応】
- メールマガジンvol.97【取締役会による退職慰労金減額の有効性】
- メールマガジンvol.96【カスタマーハラスメントの防止対策】
- メールマガジンvol.95【大谷選手と水原氏の件から考える不正領得への対策方法について解説】
- メールマガジンvol.94【大谷選手と松本氏の件から考える危機管理の初動の大切さについて解説】
- メールマガジンvol.93【松本人志氏対週刊文春の訴訟について解説】
- メールマガジンvol.92【偽装業務委託契約のリスクについて解説】
- メールマガジンvol.91【アマゾンジャパンに関するニュース記事の考察】
- メールマガジンvol.90【重要最高裁判決の解説―定年後再雇用された方の賃金制度】