Vol.37【中小企業のため固定残業代の知識について その3】
(平成31年4月4日)
【中小企業のため固定残業代の知識について その3】
今回は,固定残業代のシリーズ3回目です。まず前回までの内容をまとめさせて頂きます。
真正面から固定残業代を設けているわけではないですが,企業さんの中には,
「業務手当は残業代に変えて支払う」,
「業務手当は5万円とする」,
ということにして,業務手当5万円を支払い,この5万円をもって,それ以上の残業代は支払わないといった取り扱いをする場合があります。
このような規定を有効にするためのポイントとして,前回2点お伝えしました。
①書面の定めが必要
業務手当の支払いをもって,残業代の支払いとしたいのであれば,きちんと労働条件通知書などに「業務手当は時間外手当に代えて支払う」と規定することが必要。
また,同じような規定を就業規則でも定める必要がある。
②社員さんへの説明
「業務手当は残業代に変えて支払う」という取り扱いをすることを,社員さんにも説明する必要がある。
前回,①,②をお伝えしましたが,業務手当の支払いをもって残業代の支払いに代えるには,これだけでは足りないのです。
例えば,社員さんが,1か月に50時間残業をしていて,法規に従って正しく残業代を計算したら,残業代が10万円ほど発生するとします。
この場合,業務手当5万円だけを支払うのでは,法律に従って正しく計算した残業代10万円に足りませんね。
この場合,追加で5万円を支払うことが必要だと考えられています。
つまり,毎月,労働者の残業代を計算して,5万円の業務手当の範囲内であれば追加の支払いはしなくてよいのですが,5万円を超えている場合,追加の支払いをする必要があります。
よくよく考えると,このような取り扱いの場合,計算した残業代が3万円の場合には2万円の過払いとなり,5万円を超える場合には追加を支払うことになるので,会社には経済的なメリットはないということになります。
ただし,固定残業代は求人広告の面でメリットがあるので,次回のメルマガではこの点についてお伝えいたします。
【編集後
前号でお伝えしたとおり,私は花粉症で,薬も飲んでおり,花粉症の体質改善のためのアレルゲン免疫療法も受けています。
桜の時期ですが,桜の時期は大量に花粉が舞っています。
私は,花見をすると,頭が痛くなる,体がだるくなる等,体調が悪くなり仕事に支障が生じます。このようなことから,最近はリアルの花見は遠慮して,新聞やウェブサイトの閲覧で花見をしていました。
しかし,今年は平成最後の桜となるので,決死の覚悟で,花見をしてこようと思っています。
ここ一年,日常的な運動といえば散歩でしたが,花粉の時期は散歩もできません。とはいえ,ジムに行くのも億劫で,この時期はアゼリアモールなどのモール内を散歩しています。
モールウォーキングをしていると,散歩がてら買いたかった日用品の購入もできます。
一石二鳥なので,モールウォーキングお勧めですよ!
モールウォーキングにアゼリアモールへ行った際に撮影した城沼の桜はこちら
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