Vol.38【中小企業のため固定残業代の知識について その4】

(平成31年4月26日)

 

【中小企業のため固定残業代の知識について その4】

 

前回までのメルマガで,業務手当5万円を払い,この5万円をもって,残業代を支払ったと取り扱うための方法(いわゆる定額残業代)として,重要なことを3点お話ししました。

 

①書面の定めが必要 業務手当の支払いをもって,残業代の支払いとしたいのであれば,きちんと労働条件通知書などに「業務手当は時間外手当に代えて支払う」と規定することが必要。 また,同じような規定を就業規則でも定める必要がある。

 

②社員さんへの説明 「業務手当は残業代に代えて支払う」という取り扱いをすることを,社員さんにも説明する必要がある。

 

③差額の支払い 社員さんが仮に50時間残業をしていて,法規に従って正しく残業代を計算したら,残業代が10万円ほど発生する場合,業務手当5万円との差額5万円を追加で支払う必要がある。

 

③については,計算した残業代が3万円の場合には2万円の過払いとなり,5万円を超える場合には追加を支払うことになりますね。

 

 

固定残業代は,適正に運用すると,会社には経済的なメリットはないとも言い得ます。

 

ただし,固定残業代は求人広告の面では,大きなメリットがあります。
紙媒体,ウェブサイトのいずれの求人広告でも,求職者がまず着目するのは,業種と賃金だと思います。

 

 

賃金の掲載について,下の2つを比較してみます。

 

①月額16万円
②月額21万円(月5万円の業務手当を含みます。業務手当は時間外手当等として支払います。残業代が5万円を超える場合は,差額をお支払いします)

 

②の方が待遇が良いような気がしませんか?  

 

そもそも,①の場合,残業代を払ってくれるかどうかもよく分からないですね。

 

②であれば,見かけの賃金が大きくなりますし,応募を考えている人に少なくとも5万円の範囲で残業代は支払われるという安心感を与えることが出来ます。

 

 

現在人手不足が深刻化していますので,人材を確保できるかどうかは,企業の存続を揺るがしかねない重要問題です。
固定残業代は、求人面において大きな効果があり、経済的なマイナスを考慮しても、採用するメリットが十分あると考えます。

 

 

【編集後記】

 

埼玉県幸手市の権現堂桜堤へ,夜桜見物に行ってきました。

 

 

関東屈指の桜の名所で,桜まつり期間中は,日没から10時までライトアップされています。

 

今年は桜の開花期間が長かったので,足元に広がる満開の菜の花と同時に見ることができました。

 

薄明かりに黄色く広がる菜の花も幻想的で良かったです。

 

風に乗って届く菜の花の香りを楽しみながら,約1km続く桜のトンネルを,ゆっくりと散歩しました。

 

 

堤沿いには100店ほどの屋台が出ていて、仕事帰りの方や家族連れでたいへん賑わっていました。 

 

平日の夜にもかかわらず,周辺の道路はとても混雑していて,私も駐車場に入るまでに少し並びました。

 

観光バスが訪れる日中や休日はもっと渋滞するのでしょうね。

 

権現堂堤付近の道路を通勤ルートにしている知人の話では,桜まつり期間中は朝から渋滞していることもあるので,早起きして迂回して通勤しているそうです。

 

 

青空の下で見る桜と菜の花も見事だろうなと思いを馳せつつも、渋滞は遠慮したいところです。(事務員:T)

 

権現堂堤の夜桜の写真はこちら

 

 


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