Vol.53【新型コロナウイルス感染症に関する法律問題 その5】

 

【新型コロナウイルス感染症に関する法律問題 その5】

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、仕入れが滞っている、材料がない、といった理由で、請け負った仕事が納期までに間に合わないという企業様もいらっしゃるかもしれません。

 

このような状況の中、顧客から仕事の遅れについて指摘され、「納期に間に合わない場合には損害賠償請求または売掛金を減額する」と言われた場合、どうすればよいでしょうか。

 

このような無理を言う方は少ないと思いますが、外出制限により気が立っている方が多く、無理なことを言って店や会社を責める「カスタマーハラスメント」をする方もいらっしゃるので注意が必要です。

 

損害賠償請求や納期遅れの責任を追及するには、義務を履行する側に帰責事由があることが必要です。

 

つまり、履行できなかったことについて貴社に落ち度がないのであれば、顧客は、貴社に対して責任追及できないのです。

 

新型コロナウイルスの影響による、仕入れが滞ったり材料が入らなかったりなどの事情で納期が守れない場合には、貴社に帰責事由があるとは言えません。

 

したがって、これらの事情により納期遅れが発生する場合、貴社が損害賠償請求されたり、その他何らかの責任を追及されたりすることは法的にはありませんので、ご安心ください。

 

顧客から「納期遅れの責任を追及する」などと言われた場合、これらの点をご説明いただきご納得いただくようしてください。

 

それでもお客様にご納得いただけないような場合には、当事務所で対応することが可能ですので、ご相談いただければと思います。

 

 

【編集後記】

 

最近、吉川英治さんの『三国志』を読み返しています。

中学生の頃に熱中して何度か読みましたが、それ以降は読んでおらず、読み返すのは30年ぶりです。

 

 

中学生の時に読んだので、簡単に読めると思って臨んだのですが、意外にも意味が分からない単語がたくさん出てくるので、辞書を引きながら読んでいます。

 

言葉は難しいのですが、文章に勢いがあり、かつ、スピーディーに進むので、どんどん読んでしまいます。

三国志は全8巻ですが、有名な赤壁の戦いは、8冊のうち1冊の約半分の分量でまとめられています。

 

 

数カ月前には司馬遼太郎さんの『翔ぶが如く』を読み返しましたが、こちらも名作だけあって、人物考察が素晴らしかったです。

 

しかし、西南戦争だけでも3冊にわたって綴られており、戦いの叙述が多すぎて、読破するのが大変でした。

 

西南戦争の場合、赤壁の戦いと違い、史実が割とはっきりとしているので書くことがたくさんあるというのが長くなっている理由でしょうが。

 


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