Vol.61【賃金引下げについての法律問題 その1】

 

【賃金引下げについての法律問題 その1】

 

新型コロナウイルス感染者の増加数は若干減少傾向ですが、未だ事態収束の目途は立っておりません。

 

 

最近は、賃金引下げについてご相談を受けることが多くあります。

人手不足で従業員の数は減らせないものの、ビフォアコロナの水準で給料を支払うのは、現状厳しいことがその理由です。

 

 

例えば、当初月額18万円の給料で雇い入れた社員がいて、5年の間に給料が22万円に上がっていたとします。
この給料を20万円に引き下げることはできるでしょうか。

 

社長の裁量で給料を上げてきているので、同様に社長の裁量で給料の引き下げができると考える方も多いかもしれません。

 

 

 

しかし、会社が社員の給料を22万円にした時点で、会社と社員の間で、月額22万円の給料で仕事をするという雇用契約が確定しています。

 

契約で確定している事項を、当事者が一方的に破棄することはできません。
したがって、社長の裁量で給料を引き下げることはできないのです。

 

 

では、どのような時に給料の引き下げができるでしょうか。

考えられるのは以下の3パターンです。

  1. 給料引き下げについて社員に同意してもらう
  2. 役員を降格させて役職手当を減額する
  3. 資格等級制度の給料体系をとっている場合に資格等級を下げる

 

1については、中小企業の実務ではよく利用されています。


ただし、法律的に給料引き下げの同意が適法と言えるためのハードルは高く、社員が嫌々ではなく本気で同意したと言えないと、給与引き下げの同意は無効になる可能性が高いです。

 

法律的に言うと、客観的な状況から自由な意思で同意したと言えないと、同意は無効になります。

 

 

社員の同意が有効だと言えるためには、同意してもらう際に、会社の経営状況を具体的な数字を示して説明し、社員に、「給料減額に応じないと会社が駄目になってしまうかもしれない。たとえ給料が下がっても会社に存続してもらいたい。」と思ってもらう程度の状況づくりが必要です。

 

 

2. 役員を降格させて役職手当を減額する

3. 資格等級制度の給料体系をとっている場合には資格等級を下げる
については次回ご説明いたします。編集後記

 

編集後記

 

最近、ジムで歩いています。

ジムで歩くというと、外であるけばいいじゃないかと批判の声が聞こえてきそうですが、クーラーが効いている環境の中で運動できるので、外で歩くよりも快適なのです。

 

 

タブレットで動画を観たり、ライブDVDを観たりしながら歩いています。
もちろん、たまには弁護士向けの研修動画を見て勉強しながら運動することもあります。

 

便利な世の中になったなと思いますが、何となく後ろめたさがあります。


「運動とは辛くあるべし」という固定概念があるからだと思います。

 

 

とはいえ、ジムでのウォーキングは快適で、辛い運動には戻れそうにありません。

 

 


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