Vol.9【中小企業のための債権回収の秘訣 その4】

(平成28年1月20日)

 

【中小企業のための債権回収の秘訣 その4】

 

前回までのメルマガで,売掛金について分割金の支払いを求められたら,

 

①債権回収に黄色信号が灯ったと思って,必ず保証人を求めること,

 

②誰を保証人にして貰うかは考えどころで,一番良いのは「会社勤めをしている人」である,

 

③債務者の身近に「会社勤めをしている人」がいるかは,債務者に聞くと意外と教えてくれることがある,

 

ということをご説明しました。

 

 

では,③で,「会社勤めの人」を教えて貰ったら,具体的にどうやって保証人になって貰うかというと,債務者に「誰々さんに保証人になって貰えれば,分割弁済に応じます。」と端的に言っていくことになります。

 

このように言うと,債務者も,普通はきちんと返そうと思っているものなので,保証人に話をしてくれます。

 

債権者が自ら,保証人に対し,「保証人になってくれ」などと依頼する必要はないです。

 

債務者から頼まれた保証人は,債務者がきちんと返してくれると信頼しているのが普通なので,保証人になっても大丈夫だろうと思って,保証人になってくれることが結構あります。

 

 

債務者から,保証人をつけられるという連絡を貰ったら,和解書を作ります。

 

和解書を作るとき注意しなくてはならないのは,保証人に,きちんと保証の意志があるかを確認することです。

 

債務者が保証人に無断で,「保証人になって貰うことに了解がとれた」などと言って,和解書の保証人欄に署名押印してしまう場合があります。

 

このような和解書は保証人については無効です。

 

後から保証人に「保証人になったことなど知らない」と言われないように,和解書の保証人欄の署名押印は必ず,保証人自身にして貰わなくてはなりません。

 

保証人の印鑑は実印を押して貰い,印鑑証明書を貰うと良いでしょう。

 

 

また,和解書を作る前に,保証人に電話をして,保証の意志を確認し,保証人の意思確認をしたことを報告書として残しておくと安心です。

 

ここまで,念入りにやれば,いざという時,保証人から,「保証人になったことなど知らない」などと言われることはまずありません。

 

また,返済も滞りなくして貰えるでしょう。

 

 

次回のメルマガでは,和解書の具体的な内容について,ご説明いたします。

 

 


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