メールマガジンvol.93【松本人志氏対週刊文春の訴訟について解説】

 

年末から新年にかけて松本人志氏が文春砲を受けています。

 

 

松本人志氏は週刊文春側に対し5億5000万円を支払えと訴えを起こしました。

この5億5000万円を分解すると、本体の請求額が5億円で5000万円は弁護士費用です。

 

日本の訴訟では、第三者から加害行為をされた場合にその損害を賠償請求する時は損害賠償額の10%を弁護士費用として相手方に支払ってもらえることになっています。

5億円というのは松本人志氏が芸能活動を休止している間の得られたはずの利益と慰謝料です。

ざっくりというと1年で得られたはずの利益が2億円、裁判が2年継続すると想定して4億円、それに慰謝料が1億円といったところでしょうか。

 

 

今回の裁判の主な争点は、

 

①週刊文春側の報道の内容、具体的には女性らが文春側に話して文春が記事にした松本人志氏の各行為が真実だったか

②仮に真実でないとしても文春側が真実だと信じたことが相当だったか

 

です。文春側が①と②のどちらかを証明できれば文春側の勝訴となります。

 

 

そして、この裁判は文春側がかなり有利だと思っています。

 

なぜかというと、文春側も今回の記事は、後々裁判になることは想定できたでしょうから、女性からの聞き取りは慎重にしていると思われ、録音はもちろんビデオ撮影もしているでしょう。また、当時友人に送ったLINE等の裏付け証拠がある女性のみを厳選して記事にしていると思います。

文春側はこれらの証拠固めをした上で記事を出しているので、少なくとも②仮に真実でないにしても文春側が信じたことが相当だったと認められると考えます。

 

 

なお、よく「被害者がセクハラだと言ったらセクハラなんだ。」という発言を耳にしますが、そんなに簡単にハラスメントが認められるものではありません。

ハラスメントと認められるためには、


①一般的に不快だと感じるような言動があったこと(誰でも不快だと感じる、ということです。その人が不快だというだけではハラスメントになりません。)
②強者であるという力関係を利用したこと


が必要です。さらにそれらを裏付ける証拠がなければ裁判等ではハラスメントとは認められません。

 

 

松本人志氏の記事の件はハラスメントそのものとは違いますが、一般的に異性が嫌がる行為であり、強者であるという立場を利用していて、更に証拠での裏付けもあると私は思うので、文春側がかなり有利に裁判を進めるだろうと感じます。

 

 

なお、松本人志氏の弁護士は元検事の田代正弘さんです。この方は検事時代に、小沢一郎国会議員の元秘書3人が政治資金規正法違反(虚偽記載)で有罪となった陸山会事件で、捜査報告書に虚偽の記載をしたとして刑事告発され不起訴となったものの法務大臣から減給6か月の処分をされ、検察官を辞職しました。

 

そして、その陸山会事件で田代氏の捜査報告書の捏造を立証したのが喜田村洋一弁護士という方で、その方が今回の訴訟で文春側の代理人になると言われています。つまり、田代氏と喜田村氏は因縁の間柄で、今回の裁判は代理人間のこのような因縁から法曹界からも注目されています。

 

 


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