Vol.49【新型コロナウイルス感染症に関する法律問題】

 

【新型コロナウイルス感染症に関する法律問題】


新型コロナウイルス感染症の問題が深刻化しています。
群馬県でも感染者が増加してきており、予断を許さない状況です。

今後、会社や事業体で感染者が出てしまい、行政等から事業所の閉鎖や自粛を求められたり、自ら休業したりすることがあるかもしれません。この場合に、会社は社員に賃金を支払う必要があるでしょうか。

 

まず、その社員がどのような経緯で新型コロナウイルスに感染したかで問題は変わってくるように思います。

例えば、家族に感染した人がいるなど、その社員の感染経路がかなり特定できる場合、会社の業務中に感染したとは言えないと合理的に推定されます。

よって、社員の感染について会社には責任がなく、事業所の閉鎖はやむをえない措置ですから、会社が賃金を支払う必要はないと思います。

 

問題は、感染経路が不明な社員がいた場合です。
業務中の感染が考えられ、会社に責任があるといえる可能性があるからです。

このような場合に、賃金を支払う必要があるか否かは、会社が新型コロナウイルスへの感染対策にどれだけ取り組んできたかで変わってくるように思います。

 

会社で新型コロナウイルス対策の指針を設け、それを徹底していた場合(例えば、マスク着用を要請する、手洗いを徹底させる、至近距離での会話をさせない、顧客にもマスク着用を要請する等)には、仮に業務中に感染していたとしても、やむを得ない結果だと言いえます。

この場合には、一人の社員の罹患によって事業所を閉鎖したとしても、会社がなすべきことをした上での閉鎖なので、会社は社員に休業中の賃金を支払う必要はないと考えます。

他方、会社が感染対策の措置を何も講じていなかった場合には、業務中に感染したという疑いがあります。

 

このときは、事業所を閉鎖したことについて会社に責任があると判断されうるため、社員に賃金を支払う必要があるということになりかねません。少なくとも、賃金の60%を支払う義務があるという結論になる可能性は高いと思われます。

したがって、皆様の事業所でも、所内向けの感染対策を徹底しておく必要があります。

 

当事務所では、顧客向け、社員向けの新型コロナウイルス感染症対策指針を作成しています(内容は随時アップデートしています)。

最新の新型コロナウイルス感染症対策指針のダウンロードはこちら

また、新型コロナウイルス感染症問題のQ&Aをこちらにまとめてみましたので、ご参考にしてみてください。

 

 

【編集後記】



東京では、週末は不要不急の外出は自粛となりました。
隣県の首長も、東京へ行くことは自粛してもらいたい、と述べています。

幸い、私の趣味であるサーフィンは、感染の恐れが低いので、週末は海に行こうと思っています。

普段は、サーフィンした後、海の近くのベンチで友人と20~30分雑談してから帰っていますが、この週末はサーフィンを終えたら直ぐに帰宅しようかと考えています。


マスク着用であれば会話しても大丈夫かもしれませんが、海から上がった後にマスクを着けるサーファーは皆無です。

少し寂しくはありますが大人しく帰ることにします。

 

 


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