Vol.28【中小企業のための懲戒処分の知識について その1】
(平成30年5月31日)
【中小企業のための懲戒処分の知識について その1】
今回からは,懲戒処分をする場合の実務のポイントについてお話ししていきたいと思います。
懲戒処分というと,直ぐに懲戒解雇を思い浮かべるかもしれません。
ですが,会社の就業規則を見てみると,懲戒処分がいくつか定められているのが分かると思います。
大抵は,就業規則に,戒告,譴責,減給,出勤停止,論旨解雇,懲戒解雇が定められています(論旨解雇は定めていない会社もあるかもしれません。私の事務所でも論旨解雇は定めていません。)。
懲戒制度は社内にあるけれど,今まで使っていなかったという会社さんも多いかもしれませんが,懲戒制度は色々な点で優れた特徴を持っており,有効活用したいものです。
懲戒処分の特徴として,まず第1に,懲戒の本来の目的は,違法行為を正したり,重大なミスを戒めたりするものです。
懲戒処分をする場合,文書で処分の通知書を渡し,始末書を出させます。懲戒処分通知書は,形式も厳つく,渡された方は結構なプレッシャーを受けるはずです。
通知書を渡されたら気が引き締まるでしょうし,自分のした事の重大さを再認識する機会ともなります。
つまり,違法行為の抑止力が大きいのです。
単に口頭で注意するのとは,全く違います。
懲戒処分の特徴の2番目に,違法行為をしたことの証拠を残せるということがあります。
また,3番目として,将来従業員を解雇したいと考えた場合の,解雇をするための材料にもなります。
この2番目と3番目の特徴については,次回のメルマガで詳しくお話しします。
- メールマガジンvol.90【重要最高裁判決の解説―定年後再雇用された方の賃金制度】
- メールマガジンvol.89【有期労働契約に関する労働基準法施行規則等の改正】
- メールマガジンvol.88【運送業者の残業代請求の裁判例について】
- メールマガジンvol.87【競業禁止期間と競業禁止場所の制限】
- メールマガジンvol.86【競業を食い止める具体的な方法とは…?】
- メールマガジンvol.85【完全歩合給制度等への変更方法】
- メールマガジンvol.84【歩合給振り分け方式の残業代について解説】
- メールマガジンvol.83【歩合を残業代に割り振る給料体系の適法性】
- メールマガジンvol. 82【どのような業種で歩合給を取り入れられるか?】
- メールマガジンvol. 81【完全歩合給では最低賃金に反するか…?】